00058 山家梅花をよめる 賀茂成助

巻一・春上

【歌】

うめの花垣根ににほふ山ざとはゆきかふ人の心をぞ見る

うめのはなかきねににほふやまざとはゆきかふひとのこころをぞみる

 

 

【通釈】

梅の花が垣根に匂っている

山里は行き交う人々の心を見ているのだよ

 

 

【作者】

賀茂成助

賀茂社の神主。賀茂成助家集の断簡が残る。

 

 

【感想・その他】

垣根に咲いて匂いに溢れている梅の花を行きかっている人たちがどう見ているかで逆に山里がその人の心を見ているんだという趣向と捉えた。

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