00059 春風夜芳といふ心を読める 藤原顕綱朝臣

巻一・春上

【歌】

梅の花かばかり匂う春の夜の闇は風こそ嬉しかりけれ

うめのはなかばかりにほふはるのよのやみはかぜこそうれしかりけれ

 

【通釈】

梅の花の香ばかりがこれほど匂う春の夜の闇は(香りを運ぶ)風こそ嬉しいものだ

 

 

【作者】

藤原顕綱朝臣

家集「讃岐入道集」を残す歌人

 

【感想・その他】

「かばかり」「香ばかり」と「かばかり」(これほど、この位の意)の掛詞

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