00034 題しらず 大中臣能宣朝臣

巻一・春上

【歌】

しら雪のまだ古里の春日野にいざ打ち払ひ若菜摘みみ(てイ)む

しらゆきのまだふるさとのかすがのにいざうちはらひわかなつみみむ

 

 

【通釈】

白雪がまだ降っている古里の春日野でさあ雪を打ち払って若菜を摘もう

 

 

【作者】

大中臣能宣

三十六歌仙の一人

梨壺の五人の一人で後選和歌集の選者の一人

00019の歌の作者

 

 

【感想・その他】

「しら雪のまだ古里の」の「ふる」は「白雪の降る」と「古里」の掛詞。「白雪がまだ降っている古里の」の意。

「春日野」春日にある春日山の西側の裾野。野遊びの地で若菜摘みの歌に詠まれることが多い。

 

 

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