00030 題しらず 民部卿経信

巻一・春上

【歌】

浅みどり野べの霞のた靡くにけふの小松を任せつるかな

あさみとりのへのかすみのたなひくにけふのこまつをまかせつるかな

 

 

【通釈】

浅みどり色に野辺の霞がたなびいていたから今日の小松引きを霞に任せてしまったよ

 

 

【作者】

民部卿経信

源経信

三舟の才(詩、歌、管弦)を謳われ藤原公任と並び称された才人。

家集として「大納言経信集」を遺した。また後拾遺和歌集を批判した「難後拾遺」の著者。

百人一首七十一番の歌の作者。

 

 

【感想・その他】

大納言経信集」巻頭に掲載されている歌。

「霞た靡く」のひくは「小松」をひくことと掛けている。

 

 

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