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00037 正月七日周防の内侍のもとに遣はしける 藤三位

巻一・春上

【歌】

数しらずかさなるとしを鶯の声するかたの若菜ともがな

かずしらずかさなるとしをうぐひすのこゑするかたのわかなともがな

 

 

【通釈】

数知れぬほど積み重ねてきた私の年も鶯の声がする方向の若菜(が摘むのを忘れられる様に積み重ならない)としたいものだ

 

 

【作者】

藤三位(とうのさんみ)

藤原親子のこと。周防の内侍と親交があった。

 

 

【感想・その他】

「周防の内侍」は後冷泉院から堀川天皇まで仕えた女房で後拾遺和歌集には四首収録されている。藤三位と親交があった。

「ともがな」格助詞「と」+終助詞「もがな」で「~したいものだ」「~であって欲しい」という意味。

鶯の声がするとその声に聞きほれて若菜摘みを忘れてしまうので私の年もその若菜の様に年を積み重ねない様にしたいという感じの意味か。

拾遺集・春・二十六番に「つみたむることのかたきは鴬の声するのべのわかななりけり」(よみ人しらず)という和歌がある。

 

 

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