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00038 長楽寺にて故郷の霞といふ心を詠み侍りける 大江正言

巻一・春上

【歌】

山たかみ都の春を見わたせばただひとむらの霞なりけり

やまたかみみやこのはるをみわたせばただひとむらのかすみなりけり

 

 

【通釈】

(長楽寺のある辺りは)山が高いので都の春を見渡すとただ一かたまりの霞がたなびいているだけだよ

 

 

【作者】

大江正言(おおえまさとき)

 

 

【感想・その他】

この歌は00039の歌とともに「能因法師集」二十六番二十七番に掲載されている。

「長楽寺」京都市東山区円山町にある時宗の寺院。延暦24年に桓武天皇の勅命により最澄が創建したと伝わる。

「山たかみ」山を高みのをが省略された形。「・・・を~み」・・・が~のでの意味。

ここでは山が高いのでという意味になる。(例)「瀬を早み」

「ひとむら」一かたまり、一群

 

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