【歌】
み島江につのぐみ渡る芦の根の一よの程に春めきにけり
みしまえにつのぐみわたるあしのねのひとよのほどにはるめきにけり
【通釈】
三島江に一面にわたって芽ぐむ芦の根の一節一節の間の様に一夜の間にすっかり春めいたことだなぁ
【作者】
曾禰好忠
中古三十六歌仙の一人。
百人一首四十六番の歌の作者。
家集「曾禰好忠集」(曾丹集)を遺す。
【感想・その他】
「み島江」大阪府高槻市から摂津市辺りまでの淀川右岸辺り。
「つのぐみ渡る」つのぐむは角ぐむ。草木の新芽が角の様に出始める様。
「つのぐみ渡る」で一面に芽ぐむ様子を示す。
「ひとよ」は芦の節と節の間の間の「一節」と一晩の意味の「一夜」を掛けている。