00044 題しらず 読人しらず

巻一・春上

【歌】

難波潟浦ふく風に浪たてばつのぐむ芦のみえみ見えずみ

なにはがたうらふくかぜになみたてばつのぐむあしのみえみみえずみ

 

 

【通釈】

難波潟の浦を吹く風に浪が立つと角の様に出始める芦の新芽が見えたり見えなかったりする

 

 

【作者】

読人しらず

 

 

【感想・その他】

「つのぐむ」草木の新芽が角の様に出始める様。

「みえみ見えずみ」「見ゆ」の連用形「みえ」+接尾語「み」+「見ゆ」の未然形「見え」+打消しの助動詞「ず」の連用形「ず」+接尾語「み」

「~み~み」で交互に繰り返す様子を示すので「見えたり見えなかったり」が繰り返している様子をしめしている。

 

 

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