00045 春の駒をよめる 権僧正静円

巻一・春上

【歌】

粟津野のすぐろの薄角ぐめ(ほのめけイ)ば冬立ちなづむ駒ぞいばゆる

あはつののすぐろのすすきつのぐめはふゆたちなづむこまぞいはゆる

 

 

【通釈】

粟津野の焼け焦げた野原の薄が芽を出すと冬はじっとしていた馬がいなないている

 

 

【作者】

権僧正静円

父は藤原教通(のりみち),母は小式部内侍。

 

 

【感想・その他】

「すぐろの薄」野焼きのすすきの穂先が焦げて黒くなったもの。また、末黒野(すぐろの)に新しく萌え出たすすき。

 

 

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