00053 題しらず 大江嘉言

巻一・春上

【歌】

梅の香を夜はの嵐の吹溜めて槇の板戸のあくるまちけり

うめのかをよはのあらしのふきためてまきのいたどのあくるまちけり

 

 

【通釈】

梅の香を夜の嵐が吹き溜めていて槇の板戸が開くのをまっているヨ

 

 

【作者】

大江嘉言

中古三十六歌仙の一人。

勅撰集に29首が入集している。

 

 

【感想・その他】

朝板戸を開けた時に梅の香が匂ったことが想像される。しかも尋常でなく匂ったのだろう。そして、そこまで匂った理由について夜の間の嵐が香をため込んでいたんだと空想して歌を詠んだのだろうと勝手に解釈してみた。

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