00007 山寺にて正月に雪のふれるをよめる 平兼盛

巻一・春上

【歌】

雪ふりて(ふりつつイ)道踏み迷(まどイ)ふ山里にいかにしてかは春のきつらむ

ゆきふりてみちふみまよふやまさとにいかにしてかははるのきつらむ

 

 

【通釈】

雪が降り積もって道も迷うこんな山里に一体どうやって春がやってきたんだろう

 

 

【作者】

平兼盛

三十六歌仙の一人

光孝天皇のひ孫で平姓を受けて臣籍降下

百人一首「しのぶれど色にいでにけりわが恋は物や思ふと人のとふまで」の作者

 

 

【感想・その他】

雪深い山里だって年は明けてやがて春になる

そこに注目して逆にこんな雪深い山里にも年が来るんだという発見を歌にしている。

季節の移り変わりは自然現象なんだから山道だろうが何だろうが越えてくるだろうと思っちゃうとこういう発想は出ずこういう歌は生まれないよね

正直理系からすると当たり前だろうが勝っちゃうからこういう発想自体が思いつかないかも

関連記事