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00014 鷹司どのの七十賀の月次の屏風に臨時に客の来る所をよめる 赤染衛門

巻一・春上

【歌】

紫の袖をかさね(つらねイ)てきたるかな春たつことはこれぞ嬉しき

むらさきのそでをかさねてきたるかなはるたつことはこれぞうれしき

 

 

【通釈】

臨時のお客様が紫の袖を重ねてやってきましたよ

春になることはこれが嬉しい

 

 

【作者】

赤染衛門

中古三十六歌仙の一人

 

 

【感想・その他】

赤染衛門は藤原道長の正妻である源倫子とその娘の藤原彰子に仕えており、鷹司どのは倫子のこと。

月並みは月々の行事などのことで月並みの屏風はそれら風俗を描いた屏風で儀式などに用いられた。

臨時に客の臨時とは公式ではないということで正月に摂関家などが大臣ではない貴族を招いた宴会。

紫は摂関期は四位以上の式服の色。

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