【歌】
春立ちてふるしら雪を鶯の花ちりぬとやいそぎいづらむ
はるたちてふるしらゆきをうぐひすのはなちりぬとやいそぎいづらむ
【通釈】
春になって降る雪を鶯が見て花が散ってしまうのではないかと思って急いで谷から山里に出てくることだろう
【作者】
不明
【感想・その他】
民部卿泰憲は藤原泰憲で正二位権中納言になった公卿。近江守であったのは寛徳3年(1046年) 2月11日から天喜2年(1054年) 2月まで(Wikipediaより)。
「ちりぬといそぎいづ」ならば「散ってしまうと(思って)急いで出てくる」の意味になる。そこで「と」のあとに「や」が入ることで「と」で受ける部分に疑問が入り「散ってしまうのではないか」の意味になる。そして文末の「らむ」で推量を表し、「急いで出てくるだろう」